"AACE&ACE CLINICAL PRACTICE GUIDELINES FOR THE DIAGNOSIS AND TREATMENT OF POSTMENOPAUSAL OSTEOPOROSIS — 2016"簡約

 

f:id:lazy_ortho:20191027132151p:plain

https://pdfs.semanticscholar.org/8a28/359d6c8ef8fa5125796deafd74b927457b7e.pdf

 

主要サマリと気になったとこだけ簡約 

 

3.Q1. 骨折リスクの評価と骨粗鬆症の診断はどのように行うか?

  R1. 閉経後の50才以上の女性全員の骨粗鬆症リスク評価を行う(GradeB BEL1)

  R2.問診、身体所見、FRAXを初期評価で行う(GradeB BEL2)

  R3.BMD検査を考慮する(GradeB BEL2)

  R4.BMDには腰椎と股関節のDXAを用いる(GradeB BEL2)

  R5a.代謝性骨疾患がなく脆弱性骨折があれば骨粗鬆症と診断される(GradeB BEL2) 骨折がなくても腰椎、大腿骨頸部でT-scoreが-2.5以下であれば骨粗鬆症と診断される(GradeB BEL2)

  R5b.骨減少症があり、FRAXで骨折リスク高ければ骨粗鬆症と診断される(GradeB BEL2)

 

3.Q2. いつ診断し、何が適切な評価方法か?

  R6.2次性の原因を評価する(GradeB BEL2)

  R7.椎体骨折がないか評価する(GradeA BEL1)

  R8.BTMsを初期評価やフォローで使用することを考慮する。値で骨減少の勢いや骨折の危険性を予測できる(GradeB BEL1)

 

3.Q3.骨の状態の基本的な評価項目はなにか?

  R9.血中25[OH]Dを評価する(GradeB BEL2)

  R10.骨粗鬆症があれば25[OH]D>=30ng/mLを維持する

  R11.VitDの補充が必要な場合は1000-2000IU/dが良い

  R12.肥満や高齢などあれば高用量が必要になることがある

  R13.50才以上の女性は1200mg/d以上のカルシウムを取るよう促す

  R14.アルコールは2単位以下に控える

  R15.禁煙する

  R16.運動する

  R17.高齢者は転倒しないようにする

  R18.転倒しやすい人はhip protectorをつける

  R19.理学療法を考慮する

 

3.Q4. 薬物療法が必要なのは誰か?

  R20.骨減少があるか、椎体骨折もしくは大腿骨近位部骨折の既往がある人

  R21.T-score<=-2.5では強く推奨

  R22.-2.5<T-score<-1.0でもFRAXで骨折リスクが高ければ強く推奨

 

3.Q5.どの薬が用いられるべきか?

  R23.骨折リスクが高い患者ではアレンドロン酸、リセドロン酸、ゾレドロン酸、デノスマブが推奨される。

  R24.経口摂取が難しい、もしくは特に骨折リスクが高い患者ではテリパラチド、デノスマブ、ゾレドロン酸が推奨される。

  R25.ラロキシフェン、イバンドロン酸は椎体特異的な薬が必要なときに推奨される。

 

3.Q6.どのように治療効果をモニターするか?

  R26.DXAを1-2年置きにとる

  R27.椎体、股関節、大腿骨頸部のBMD推移を見る

  R28.同じ施設の同じ機械で評価することが望ましい

  R29.BTMsの評価も考慮する

 

3.Q7.骨粗鬆症治療の成功とはなにか?

  R30.BMDが低下せず、新規骨折や骨折進行がないこと

  R31.BTMsが閉経前女性の中央値より低いこと

  R32.治療中に骨折を繰り返したり、骨密度が低下していく場合は再評価と治療薬変更を行う

 

3.Q8.どのくらいの期間治療は行われるべきか?

  R33.テリパラチドは2年間まで

  R34a.中リスクの患者では経口ビスホスホネートは5年間の使用後に休薬

  R34b.高リスクの患者では経口ビスホスホネートは6-10年間の使用後に休薬

  R34c.IVゾレドロン酸は中リスク患者では3年間の使用後に休薬、高リスク患者では6年間の使用後に休薬

  R34d.テリパラチドやラロキシフェンはビスホスホネート休薬期間に用いる

  R34e.デノスマブは休薬が推奨できない

  R34f.ビスホスホネートの休薬後の治療は、症例の骨折リスク、BMD,BTMsによって考慮

  R34g.他の治療薬は適切な期間用いる

 

3.Q9.2つ以上組み合わせたほうが良いか?

  R35a. 多剤治療の効果が実証されるまでは推奨しない

  R35b.エストロゲンかラロキシフェンが用いられてるいる場合には他の薬剤併用を考慮する

  R35c.デノスマブとテリパラチドの併用でBMDの上昇は良いが、骨折予防効果のデータはない

 

3.Q10.治療薬を継続を考慮すべき?

  R36.テリパラチドは継続すべき

 

3.Q11.圧迫骨折で椎体補強を考慮すべき?

  R37.椎体形成はエビデンスに乏しい

3.Q12.内分泌科や骨粗鬆症専門家へ紹介すべきときは?

  R38.BMD正常にも関わらず大きな外傷なく骨折を繰り返すとき

  R39.治療がうまくいかないとき

  R40.予想以上に重度の骨粗鬆症で普通でない骨折があったり、珍しい2次性障害があったとき

  R41.低腎機能、甲状腺機能亢進、吸収不良など特殊な状態のとき

  R42.脆弱性骨折があるとき

 

 

4.Q2.1. 2次性骨粗鬆症を評価する検査は何が良いか?

    CBC,CMP(Glucose, Calcium, Alb, TP, Na, Cl, K, UN, Cre, ALP, AST, ALT, Bil), 25(OH)D, iPTH, phosphate,  24-hour urine collection for calcium, sodium, and creatinine.

 

4.Q2.3. 骨代謝マーカーはどう使うか?

  S-CTXとPINPを国際骨粗鬆症学会は推奨
  十分なエビデンスにはかけるが治療効果を評価するのに有用

4.Q5. どの薬剤を用いるべきか?

  

f:id:lazy_ortho:20191027210027p:plain

注射薬(テリパラチド、デノスマブ、ゾレドロン酸)は  高リスク、
消化管障害、
内服アドヒアランスに問題がある人に推奨

デノスマブは腎不全患者に推奨。しかし、透析患者やCKDStage5は低カルシウム血症のリスク高いので非推奨

 

4.Q5.1.ビスホスホネートはどう使うか?

IVビスホスホネートで30%の患者に数日間続く発熱と筋肉痛が見られる。アセトアミノフェン投与で改善する。

4.Q5.2. デノスマブはどう使うか?

 2年の使用後に休薬することで1年後にはBMDは基準値より低下し、BTMsは基準値より上昇した。休薬は推奨できない。

4.Q5.3. ラロキシフェンはどう使うか?

  大腿骨近位部骨折や非椎体骨折を減らさないため、ほとんどの骨粗鬆症患者に推奨できない

4.Q5.6. テリパラチドはどう使うか?

  テリパラチドを休薬後に骨密度は急速に低下する。休薬後にアレンドロン酸を用いることで骨密度低下を防げた。おそらく、ゾレドロン酸やデノスマブでもいいだろう。

4.Q6. どうやってモニタリングするか?

 BMD評価は1-2年置きに行う

4.Q8.2. ビスホスホネート休薬

 高リスク患者では経口ビスホスホネートなら10年間、ゾレドロン酸なら6年間で休薬する

高齢者のADLをもっと丁寧に把握しようと思った

若手整形外科は大腿骨近位部骨折や橈骨遠位端骨折を担当することが多い。

必然的に担当患者は高齢者が多くなる。

手術自体に慣れてきて、手術をしたことが、この患者さんにとってよかったのかな、と疑問に思うことが多くなってきた。

特に大腿骨頸部骨折は、手術しても車椅子ゴールだったりすると、あれ、しないほうが良かったのかなと思ってひどく不安になることがある。

 

そういえば。今までざっくりとしか患者のADLを把握していなかった、ということに気がついた。

どれくらい歩けていたか、食事排泄は自分でできていたか、それくらいしか聞いてなかった。患者のもともとの生活がイメージできていないから、ゴールも想像できていなかった。

 

北野先生のADL評価項目

ADL

D: Dressing   着替え

E: Eating   食事 

A: Ambulation 歩行

T: Toileting   排泄

H: Hygiene   清拭

 

iADL

S: Shopping        買い物

H: Housekeeping   家事・掃除など

A: Accounting      口座管理

F: Food preparation  食事準備

T: Transportation    移動・交通機関

http://ykitano5min.hatenablog.com/entry/2017/10/03/185507

 

これを全例とってみようと思う。

漠然と質問しても患者家族から有益な情報は得られない。

患者の生活を想像すれば今抱えているモヤモヤもちょっとは減るかも

Harris-Benedictの式が気持ち悪い

必要なエネルギー量を計算するときにHarris-Benedictの式というのがある。以下の式

● 男性[66.47 + 13.75W+ 5.0H ー 6.76A]
● 女性[655.1 + 9.56W+ 1.85H ー 4.68A]

気持ち悪いと思うのは2点

  1. 小数点以下2桁までいるんか?
    体重、身長、年齢以外のもろもろの変数からくる誤差考えたら、その係数の厳密さ絶対いらないでしょ。計算が面倒だし、イメージしにくくなる。
  2. 係数が男女でこんなに違うもんなの?
    女性の方が体格に依存しない基礎エネルギーが多いっというのはなんとなく理解できるけど。。ここまで本当に違うの??

体重✕30でいいでしょ。

不要な複雑さは無駄にリソースを食うだけ

AIUEOTIPSっていらなくない?

研修医なりたての頃に覚える意識障害の語呂合わせ AIUEOTIPS

これって使いにくくない?理由は2つ

  1. ぱっと出てこないときがある
    まあ、これは慣れの問題かも
  2. 診療行為の順番とAIUEOTIPSが一致しない
    最初にすべきは低血糖の除外なので、アルコールが頭に来てるのはイマイチ。あと、救急現場で鑑別診断を考えながらウンウン言ってる時間はなくて、とっとと検査オーダー出して所見とらなきゃいけない。どの順序でどの検査をして、どの時点で様々な鑑別診断を否定していくかまで、考えておく必要がある。

自分は内科診断レファレンスに記載されている3✕5記憶法が良いと思っている。

f:id:lazy_ortho:20191022173831p:plain

f:id:lazy_ortho:20191022173836p:plain

(ジェネラリストのための内科診断リファレンス: エビデンスに基づく究極の診断学をめざして,上田 剛士 )

バイタル安定してて血圧高かったら、面倒だからすぐCTに送ってしまっているけど